進化をやめないという誓い
「WAVE」2019年8月30日@レオ・バーネット台湾
台湾版スターブランドCLUBともいえる、台湾の中小企業に向けたブランディングワークショップ<WAVE>がこの夏スタート。年4回のスペシャル講座として設定された村尾隆介のワークショップの第1回目が台湾で開催された。
始まりは去年の冬12月9日にスターブランドのHPの問い合わせ窓口へ舞い込んだ1通のメールだった。それは、台湾最大手の広告代理店<レオ・バーネット>から村尾隆介にあてたメール。「私たちは台湾の中小企業にブランディングの考え方を伝える活動をはじめようとしている。台湾で村尾隆介の本を読み感銘を受けたので、その活動にぜひ力を貸してくれないか。」そんな内容だった。
去年の12月からの数カ月と言えば、月に2回は台湾を訪問していた時期。突然のコンタクトに若干の“眉唾もの”感もありつつ、連絡を取り合い、年明けの訪台時に面談の機会をもった。数回の面談を経て、今回の開催にいたったわけだが、ここでとことん感じたのは、台湾のスピード感、フットワークの軽さ。
「日本に学ぶ」と台湾の方は言ってくれるけれど、日本が台湾から学ばなくてはいけないことももちろんあって、このスピード感は日本が絶対学ばなくてはいけないことのひとつだと思う。
「日本で開催しているスターブランドCLUBを見てみたい!」
と、4月にはレオ・バーネット台湾代表であるマーガレット、そしてヒューゴ、アレックスの3名が日本を訪れ、東京会場、盛岡会場を見学していった。正直言うと、私はこうやって3名ものメンバーが日本をこのためだけに訪れたことで、やっと彼らの本気度を理解した。
私は自分自身を結構、合理的なことが好きな効率的なタイプだとは思っているけれど、それでも相手の熱意や誠意を感じると、それには弱い。それは私以上に、村尾隆介にはより顕著だと思う。
「誰でもいいからお願いしたい」という人と、「どうしてもあなたにお願いしたい」という人がいたら、やっぱりどうして、後者を選んでしまうものだと思う。だって人間だもの。
かつてこんなこともあった。
岡山で村尾隆介が行った講演の後、コンサルをお願いされた会社さんがあったのだけれど、その時期、コンサル案件が尋常でなくたてこんでいたので、それを理由にお断りした。何度もお願いされたのだけれど、何度もお断りさせていただき(ごめんなさい!)、それでもあきらめてもらえず、最後にどこにでも出張先に訪問するから会うだけでも会ってほしいと、鳥取のホテルまで会社の役員のみなさまが来てくれたことがあった。
ここまでの熱意をみせられては、どうにもこうにも断れず(笑)お引き受けさせていただいた。でも、やはりこの熱意はさすがのもので、ブランディングは短期間で大成功、今でも私がこの仕事をはじめて5年強、もっとも成果を出したブランディング事例のひとつとして燦然と輝いている。このときのブランディングの勢いは私のなかに今でも鮮明な記憶として残る、実にすばらしい日々だった。
ちなみに、このWAVEでも最も難航したのが、村尾隆介のスケジュール調整。実は1年分の予定はほぼ年初にとりきってしまうので、突発的な予定の調整は非常に厳しい。どうにもこうにも日程が決まらないまっただ中。たしか山形出張から東京に戻る、19時頃を狙って、そのためだけに台湾から再度1名のメンバーが日本に来てくれたのだ。約1時間半の打ち合わせのためだけに。その熱意に負けて、村尾隆介の海外出張を一件取りやめ、このWAVEの日程を取った、なんて裏話も実はあったりする。
そんなこんなで実現した、台湾での台湾のCEOに向けたワークショップ。日本語版パワーポイントと中国語版パワーポイントを用い、同時通訳をはさんでの7時間の超ロング講演。結果から言えば、大成功だったと思う。参加者からの連絡も絶えず、実はすでに台湾企業のブランディングの相談もいくつか受け、進めている。すばらしい講演だったと、参加者も主催者もメンターの錚々たる大企業のトップも絶賛してくれている。豊富な事例、サービス精神とエンタメあふれる講演。きっと台湾の方も見たことがない講演だったろう。
でも。
それでも。
本音でいえば、私は全然満足していない。
そして、たぶん村尾隆介もまったく満足していないはずだ。
感じたのは、日本人との国民性の違い、行動や文化の違い。きっと、もっと伝わる話し方がある、もっとふさわしい事例がある。もっとできる演出がある。通訳をはさんでも日本語で話しているのに負けないほどの伝わる表現がきっとある。
村尾隆介と触れ合ったことがある人なら、こんな言葉を聞いたことがあるだろう。
「同じ一年を絶対に繰り返さない」
これってどういう意味か分かるだろうか?
これは、“進化をやめない”という誓いなのだ。
私は、いろんな才能にあふれた自分のボス村尾隆介の能力のなかでも、突出している能力がそのプレゼンテーション能力だと思っている。
「台湾での講演、やってよかった。」
私は今、心からそう思っている。“進化をやめない”という誓いをたてた村尾隆介にとって、今回の台湾での講演は、加速度的な進化が約束されたと言っても過言ではない。
きっと次の台湾での講演は、村尾隆介が圧倒的な進化をみせるはずだ。すでに突出している能力がきっとまた、より研ぎ澄まされ、磨かれる。
その進化した姿を見れることを想像すると、私は少し興奮すら覚える。
次回はまた台湾で、9月30日。
今から楽しみでしょうがない。
【おまけ】
ちなみに。台湾での講演後の村尾隆介と私ハラとの雑談をちょっと見せ。
私が、「いつか、海外の人向けに話すとき、文化や国民性の違いによってどうプレゼン方法を変えるのか、本にも書いてほしい!」と言ったところ、「いや、そんな国を超えて講演する人なんてほぼいないから、需要ないから(笑)!」と。
確かに。でも!
同じ日本人に向けた講演だって、県民性、年代の違い、本当は伝え方を変化させるのは必須。台湾を事例にして、分かりやすくプレゼン手法の違いを説明する本、私は読んでみたい! そして、そんな村尾隆介のプレゼンテーション本、需要だってあると思うんだけどなぁ。
ということで。いつか進化した『新ビジネスは、毎日がプレゼン。』が出版される日をお楽しみに(笑)。
WAVE
https://www.wavecommunity.com.tw/
レオ・バーネット
『ビジネスは、毎日がプレゼン。』村尾隆介(同文館出版)
WAVE開催に尽力してくれた、レオ・バーネットのみなさま、ファブリッジのみなさま、関係者のみなさまに心から感謝を。すばらしい機会をいただけたことを本当に幸せに思います。台湾への貢献と、自分たちの進化でその感謝の気持ちを返していきたいと思います。
心からありがとうございました。
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